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「WATCHMEN」見ちゃいました

 日曜日、近所のシネコンでアメコミ原作の映画「WATCHMEN」を見てしまいました。この映画の原作はよっぽどアメコミファンでもないかぎり知らない人が多いと思います。僕もアメコミファンではありましたが、初めて知ったのが1998年に主婦の友社から日本版が発刊されたのを手に取った時が最初でした。アメリカ本国では1985年に発表されたので10年程のタイムラグがあるわけです。この作品はアメリカンコミックスとしては初のヒューゴー賞を受賞した作品で、当時のコミックスを日本のマンガのような大人にも注目させることを実現したモニュメンタル的な作品でした。作品の時代設定はニクソン政権の米ソの冷戦真只中で核戦争がおきかねない緊迫した状況になっています。もう原作も発行されていることだし、ネタをばらしてもそれほどの影響はないと思いますが、話の内容は簡単にまとめると次のようなものです。スーパーヒーローがいました。彼はどんな出来事も解決することはできましたが、人間の限りない心の悪意だけはどうにもなりませんでした。人間の敵意、残虐性は救いようがありませんでした。世界平和を実現できない人間を一つにまとめるには、人間を超える強大な敵が必要でした。彼はその敵を捏造しました。その強大な敵の威力で町が消滅し、米ソはその脅威に対抗するべく共に歩み出し、強大な敵に対する『敵意』を持って世界は一つになるというものです。その為に「正義の味方」が仕組んだおおきなペテン。それがこのコミックの内容です。確かに単バカなアメコミとしては当時としては衝撃的な内容だったのかもしれませんが、原作を読んだ私としては、それほどのインパクトは感じませんでしたね。その点で言うなら、日本のマンガの方がかなりダークなテーマが昔からありましたから。人造人間キカイダーなんて、最後は兄弟を破壊しちゃうんですから。子供の僕には衝撃的でした。
 それで映画のほうですが、もう完璧としか言う他ありません。とても見応えがあります。スタッフはあの「300スリーハンドレッド」のスタッフらしくとてもスタイリッシュな映像に仕上がっています。バックにサイモンとガーファンクルやジミヘンの曲が流れ、それがまったく違和感なくマッチし、胸を掻きむしる程の不安感を煽るスーパーヒーロー物なんて初めての体験です。何も予備知識がなくXメンみたいな映画を期待して見た人はどんな思いだったでしょうね。
 ちなみにこの映画バイオレンスも半端じゃありませんし、善悪の彼岸にたどりついた仏陀のようなDr.マンハッタンというヒーローなんか生まれたままのお姿ですので、看板だけみたお子様が見たいと言っても、見せちゃいけませんし、年齢制限がされてあります。ご両親の方は気をつけてくださいね。
 しかし私はDr.マンハッタンの「火星は微生物のような微弱な生物しか存在しないが、全てが必然的に変化存続し、ピュアな世界だ。ここにショッピングモールが建ったらどうなる?」という考えにものすごく共感してしまう。よく良識な人達は人間や地球の美しさを語る。しかし、これほどまでに多くの生命が互いを食らい合っている星は宇宙でも稀ではないのか?もしかすると宇宙の自然なピュアな状態とは、火星や月のような静かな世界かもしれないではないか。宇宙がしずかな水面や一直線で表される完璧な波動だとしたら地球はそこに生まれた均衡を破壊する波なのではないか?人間の歴史や営みなどは取るに足らない殺戮の歴史なのではないのか?ヒストリカルフィギュアを趣味にしていて、そんな思いにとらわれることがある。
 僕がもし「WATCHMEN」の原作を書いたなら最後に人類を滅亡させてしまうだろう。
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  by Snakestone | 2009-03-31 02:53 | 映画 | Comments(3)

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