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デジタルモデリング

 想像していたことではあるが、最近の大手模型メーカーの製品プロダクションにおいてはやはり着実に最新デジタルテクノロジーの導入が進んでいるようである。
 自動車や、飛行機などのメカニックなアイテムはもとより、フィギュアにおいても革新的な事が試行、または実用されている。そのもっとも先鞭を切ろうとしているのが、例のガンダムのミリタリーミニチュアシリーズを展開しているバンダイであるが、フィギュアの原型を作るのに、人体(生きたモデル)を3Dスキャナー(ハリウッドなどでもアニメーション作成に使用しているようなハイエンドのもの)で3D座標を読み込みデータ化し、それを光学形成樹脂のようなものを利用してマスターモデルを出力している。ある程度の服の皺や、装備品まで再現できる精度のようだ。しかし、想像のとおりそれだけでは味気ないものとなるので、そのマスターモデル(ベーシックモデルと言った方がいいのかな)を原型職人のニマルオンさんに渡して、微調整とアーティスティックな味付け、演出がなされるのだということである。光学形成樹脂に関してはもう10年近く前からジュエリーなどの原型制作で実用されているので、いつかは模型もそうなるだろうと思っていたけど、随分進歩したものだなと思う。その内これらのテクノロジーもパソコンと、プロッターみたいなセットで個人レベルでもできる日も来るのだろう。僕も最近は生業の方が忙しくて、キットを作るのが精一杯の状態になっている。ある程度の原型を出力してもらえる機械があったらスクラッチをばんばん作っちゃうんだけどなぁ。
 とは言うものの、あきらめているわけでもなく、下にあるのは次に予定しているスクラッチビルドのブルーマップ。簡単だけど、手軽なCADソフトを使用して作成している。せっかくパソコンがあるんだから、モデリングというアナログの世界にもできるだけ利用したいものである。女性のフィギュアを計画しているけど、Hなやつじゃないから変な誤解はしないでね。
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  by snakestone | 2007-07-25 02:04 | フィギュア製作レポート | Comments(0)

「最近歴史劇があついぞ!」の巻

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最近私の旧知の親友もはまってしまったというナポレオン時代の熱血史劇ドラマ「炎の英雄シャープ」。イギリスで14年も前に製作された連続TVドラマである。しかし、あのもっとも原作に忠実であると名高いシャーロックホームズシリーズを手がけた英国グラナダTVが制作とあって、当時のディティールと雰囲気、時代考証に至っては余す事なくよく再現されている。イギリスを始めヨーロッパではTVドラマとしては空前の大ヒットをした。しかし日本においてはほとんど話題にすらならずその存在も一部の人にしか知られていなかった。NHKにおいては同じナポレオン時代を題材にした冒険ロマン「ホーンブロワー」は衛星放送で放映したが、この「シャープ」シリーズは取り上げられることはなかった。私もこのドラマの存在は何かの雑誌で知っていた。しかしそれにさかのぼる事さらに5年近くまえ、私がこのヒストリカルフィギュアという趣味を始めた時、ヒストレックスというナポレオン時代のプラモデルを楽しむ同好会に参加している最中、博識な方がバーナード・コーンウェルという人が書いたシャープシリーズという小説が面白いと紹介してくれていた。それがこのTVドラマの原作だったのである。そんなわけで自分にとってはこの話は20年越しの恋のようなものであった。1年ぐらい前やっと日本でもDVDが発売された。自分はよく知らないがどこかCSでも放映しているらしい。この日本版DVDの発売も商品企画要望サイトで有名な「たのみこむ」というサイトで希求度が上位にランクインされやっと実現したという経緯がある。だからそれもなければ、輸入版でも見るしかなかったかもしれないのである。
 話の内容はナポレオン戦争物ではほとんどあつかわれなかったスペイン戦役からワーテルローまでのリチャードシャープという男の波乱万丈のドラマである。主役はロードオブザリングでボロミールという指輪の誘惑に負けてしまう人間の役をやっていたショーン・ビーン。この人この「シャープ」は当たり役だったんだけど、映画では本当にいい役もらえてないよね。かわいそうに。このシャープが後のウェリントン公爵になるアーサー・ウェルズリー卿の命を助けたことから、一介の軍曹から中尉にまで昇進してしまう。ここから彼の波乱の冒険が始まる。それから第95ライフル連隊の中でも精鋭を選りすぐった部隊の指揮をまかされ、ある意味捨て石に近い過酷な任務をこなして、勝利を納め立身出世していく物語である。このシャープが指揮するサウスエセックス連隊は架空のものである。しかし第95ライフル連隊は当時の技術革新であるライフリング(銃身内側に螺旋を刻み命中精度を高める技術.現在では当たり前のものだが)をほどこした有名なベーカーライフルが優先で支給された精鋭部隊であり、実在したものである。この時代はほとんどはイギリスにおいてはブラウンベスという滑空銃で、戦列をくんで集中砲火を浴びせることで始めて効果があったのである。だから当時の戦闘は運動会のように大勢で向き合い射程距離まで歩み寄り、互いに撃ち合うというパターンが決まっていた。第95ライフル連隊は滑空銃においても腕がいいシャープシューターと呼ばれる精鋭で構成され、スカーミッシュといって、戦列よりも前方や斜めなどに散兵し、そのライフルの精度によって狙撃をしたり索敵などの任についていたのである。「最初に戦場に来て、最後に戦場から去る者」と呼ばれている。
 このドラマの成功は多分に原作者コーンウェルの虚実を取り混ぜた巧みな構成による物だと思うが、ヨーロッパで大ヒットしたというのは当時の社会情勢などもわかりやすく描かれていたからだろうと思われる。たとえばシャープはウェリントンの命を救ったことで将官クラスに昇進するが、これは現実にはありえない。おそらく報償ぐらいはもらえるだろうが、当時のオフィサーとは貴族がその地位を金で買っていたからである。だから兵卒はどんなに優秀でもせいぜい軍曹までが最高のランクなのである。また兵卒は志願制ではあったがほとんどが、イギリス本国では生活できないような最下層の人間が逃げ込んできたのである。大体は犯罪者か、何かトラブルに追われているような連中だったらしい。シャープだって孤児院育ちだし、なにかの理由で追われるように軍隊に逃げ込んできたのだろう。そのような背景で、階級制度の軋轢の中でどんどん武勲をあげていくシャープに一般大衆の人達は胸を踊らせたのかもしれない。大体祖先にはナポレオン戦争にかかわったおじいさんなどがいるヨーロッパだからこそ大ヒットしたのだろうと思う。
 ところで最近CG技術も発達したせいか、いわゆるスペクタル史劇なるものが低予算で実現できるようになり、ヒストリカルフィギュアという趣味を嗜むものとしては一般の人にも興味も持ってもらえる機会が増えるわけでとても喜ばしいことである。今月からWOWWOWでも「ROME」というローマ時代をあつかったTVシリーズが始まる。本当に楽しみである。
 ちなみに下の画像はアンドレアミニチュアから随分前に発売されたシャープのフィギュア。あまり似ていないね......。


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  by snakestone | 2007-07-08 20:32 | 映画 | Comments(2)

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