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Light&Shadow

・・・・光あるところに影がある。まこと時代の栄光の影に数知れぬ忍者の姿があった・・・
というのとはちょっと違うのだが、例のフラットフィギュア「ビアンカの休息」はどうなったのだと言われてみれば、実は何もしていない(爆)。フラットフィギュアを塗る時、時々イメージを掴むためにラフスケッチをすることがある。今はそれぐらいしかしていない。
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今回は自分なりのフラットフィギュアの調子の考え方を書きたいと思うが、左にあるのは大きく3つの調子に分けた簡単なエスキースである。この時点でこの製品の大きなポカを見つけてしまった。右足しかないのである!恐らくはドレスに隠れているという想定なのかもしれないが、不自然な感じである。私は普通に足組して休憩しているポーズに修正することにした。
 ところでもちろんラウンドフィギュアとフラットフィギュアとでは陰影の捉え方、考え方は違うものである。その前にそもそもフラットフィギュアに正しい塗り方があるのだろうか。本場ドイツの方に聞いたことがあるがもちろん自由であって、これだという方法はない。以前静岡でフラットフィギュアを見てくれたお客様から色々感想を聞かされたり、質問をされた。そのほとんどは模型趣味より敷居の高い感じという感想をもっているようだった。しかし、私はこう考えている。そもそも、フラットフィギュアとは立体塗り絵なのである。ドイツの子供達は皆この立体塗り絵を楽しんで遊んだりしたので、もちろんべた塗りでもいいし、気軽に遊べるものなのである。本来はそうした物だと思うが、そんな遊びでも数世紀も続けば子供達だった人が大人になりコレクターとして存続していくことになる。そうなると本格的に絵画的な工夫をしてみようと、芸術的な仕事をする趣味人も出てくる。私としてはマイクテイラーのような卓越した作品を見たあとで自分もやってみたいと思ったので生真面目に絵画的なセンスをもって作品作りに臨みたいというスタンスを取っているだけである。であるから、これから書くことはけっしてこうでなければならぬなどというつもりで書いているわけではないことを申し添えておきたい。
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 さて左の画像は200円で買ったガチャポンで石膏像のミニチュアである。石膏像としてはとてもいい勉強になるラボルドという像のミニチュアだ。これがまたとても出来がいい。見た感じ本物と区別がつかないでしょ?これは午前10時屋外で撮影したもの。
 フラットフィギュアを塗る時に立体的に見せるには物の見方が出来ていないと難しい。先に述べた3つのゾーンとは何かと言うとライトゾーンとシャドウゾーン、そしてターミネーターである。ターミネーターとは物の個体の中で光線が途切れる最終的な領域のことである。普通モデラーの人達はディティールに入っていく人が多いのであまり諧調については無頓着な人が多い。フィギュアが難しいと言われる点はまさにこの点だと思われる。最近ヨーロッパにおけるヒストリカルフィギュアの中で確立しているペインティングスタイルは真上にライトソースを想定して個体の上部にハイライトそれからミドルトーン、シャドウ、ラストシャドウとし、輪郭などを墨入れの要領でアウトラインをとってメリハリをつけるというパターンが多いようだが、私にはとても不自然に見えてならない。そのような陰影は人口的な照明でスポットライトのようなものだ。太陽光は遥か上空から降り注ぐが真上からではない。時間や見る人間の視点によっても変化するのは当然のことである。もっともラウンドフィギュアにおいてはそのような時間によって変動のある自然光をとりあえずさし置いて、表現としての陰影の捉え方として確立したのだと考えれば、けっして否定できることでもないかもしれない。
 私はフラットフィギュアでもラウンドフィギュアでも第1光源の他に第2光源、場合によってはそれ以上の光源を想定してペインティングしている。第2光源とは実は自然の中で言えば物体による反射光のことである。太陽しか光源のない場合光の当たらない反対側が一番暗くなるかというと、それは違う。上の写真のように周囲からの反射によってシャドウゾーンの中でも中間になる。むしろ暗いのはターミネーターの部分である。このような基本的な見方を知っていればどのような物であれ立体的に表現する事が出来る。もちろん自然はそれほど単純でないし、日頃からよく観察することが表現の幅を大きく豊かなものにしてくれると思っている。
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  by snakestone | 2007-04-16 00:16 | フィギュア製作レポート | Comments(3)

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