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新兵器:GENESIS System

最近面白い画材が手に入りました。今日は午前中はその画材の検証実験をしています。
GENESIS HEAT-SET ARTISTS OILSというものです。実はこんな物があるのではないかと思っていましたが、本当に実在してました。
新兵器:GENESIS System_a0027198_14271830.jpg

 上がGENESISの絵具ですが、瓶詰めになっています。右にあるタミヤアクリルと比較してみると大きさは判断できるでしょう。かなり小さなものです。でも容量は30mlとタミヤよりは多いです。瓶の中を開けると、見かけは業務用の印刷用インキの固練りと言った感じで、粘土に近いほど固めのものが凝縮して詰まっているという感じです。
 それでは、本題に入ります。この画材の特徴は、まず・・・乾きません!1日たっても、1週間たっても、貴方が交通事故にあって数年間、昏睡状態になっても乾きません!それではどういう状態で乾く?固まる?(専門用語では架橋といいます)のかというと、250°F、121℃になった時熱反応で硬化します。つまり、絵具のスカルピーみたいなものです。
新兵器:GENESIS System_a0027198_14195399.jpg熱を加えるには左写真のような純正のヒートガンがありますが、ドライヤーでも十分代用できるのではと思います。また、少し心配ではありますがオーブンを130℃ぐらいまで加熱して、スイッチを切り、その余熱で乾燥させることも可能です。
 この画材のメリットとしては
・乾かないので、筆に絵具をつけてても、パレットも製作途中のままで数ヶ月放置(もちろんホコリがつかないように箱にいれるなり、対処しなければ駄目ですが)しておいても、またその段階から製作を開始できる。
・熱で硬化しますが、熱による色の変化がない。(油絵の具は変化します)
・パレットで余った絵具は容器に移していつまでも使える。
・パレットで混食していないままの絵具はもとの容器にもどせるので無駄に捨てることがない。
・油彩と違って不透明である。
・油彩のような混食制限がない。
・環境にやさしい(昨今の画材では環境配慮が最優先になっているようです。油彩は残念ながら劇薬の部類に入ります)
 というようなところです。
新兵器:GENESIS System_a0027198_1447319.jpg

 上は実験代になってもらったバーリンデンのキットです。目はまだいれてないのですが、この段階までで30分くらいでしょうか。ヒートガンで熱風をあたためたら、2分ほどで絵具が動かなくなりました。これでまた次の段階へ進めるのです。
 検証の結果ですが、このGENESISは十分フィギュアモデリングに使用できると判断します。それどころか、油彩というものをブレンディングという技法にメリットを感じている技法の作者にとっては製作期間の短縮とともにうってつけといっても過言ではないでしょう。
 もう白熱電灯で1日待つことはないのです。5分とかからず、次の段階へと移行しましょう。
ブレンディング派の貴兄にとってファレホに対抗できる新兵器となるかもしれません。
 ただ、もちろんデメリットもあります。あたりまえですがプラモデルには使用できません。メタルには最適、レジンも問題ないでしょう(今回の実験のとおり)。
 また、価格が高いです。一瓶800〜1800円ぐらいの間です。これは各自の考え方によると思いますが、30mlの絵具を使うのはおそらく一生物かもしれません。GENESISはかなり密度が高く筆で伸ばすとかなり伸びます。固そうに見えるのですが、練ってみると伸びはいいです。新兵器:GENESIS System_a0027198_1510471.jpg私は写真の5種の絵具、グレージングメディウム(透明にフィルターをかける技法のメディウム)、ヒートガンなどがついたイントロダクションシステムを入手しましたが、単品でそろえた方がいいかもしれません。ヒートガンなんてただ強めのドライヤーですから(笑)。
安目の基本色だけそろえて自分で混食して100円ショップの化粧用のケースにいれて用意しておけば、コストもおさえられるでしょう。
 で、この画材どこで入手できるの?と聞きたくなることと、思いますが、下記のHPで通販で買えます。
http://www.yumegazai.com/default.asp?mode=genre&cd=202000000
 出所は奥様達のトールペイントで人気が出つつあるようです。しかし、メーカーのビデオを見ると(これもイントロダクションシステムに付いてました)アクリルに次ぐ革命的な画材と銘打ってるようで(爆)キャンバスで絵画を製作していましたし、決してトールペイント用というわけでもなさそうです。
 興味のある方はお試しになってみてはいかがでしょうか。

  by snakestone | 2005-08-14 15:28 | フィギュア関連 | Comments(2)

Commented by 戦車親父(Panzervati at 2005-08-16 23:25 x
うわーこれは驚いた!こんな絵の具あったんですね。
レジンには躊躇なく試せそうです。
メタルはドライヤーで溶かしちゃったことがあるので一寸心配な気もするけど大丈夫なんですか?
しかし・・知らないところで科学は進んでいるなぁ、すごいなぁ。
Commented by snakestone at 2005-08-18 22:06 x
>戦車親父様
え〜!ドライヤーでメタルが溶けちゃうんですか?かなり長い時間あててたんですか?僕はファレホは常にドライヤーで乾燥させちゃってますよ。
 メーカーのメタルの組成にもよるのかもしれませんけど、実験ではペガソの余りのメタルランナーにペイントして、熱風をかけてみたけど、特に問題はありませんでした。2分というのは長くみた時間で事実上は1分かからないくらいかもしれません。また、マスコットの昔バージョンに実験台になってもらいますか(爆)

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